会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、東京拘置所に勾留されていた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の弁護人、弘中惇一郎弁護士が7日夜、都内で取材に応じた。

この日午後、弁護団の会議が同氏の事務所でテレビ電話を通じて行われたといい、「ごくベーシックな、今後の弁護団会議の持ち方という、そのレベルの話です」と内容を説明した。ゴーン被告の会議への参加予定については「今のところ考えていません」とした。対面は来週になる見通しという。

ゴーン被告の様子については「直接聞いていませんが、家にいたんだと思います」。家族と過ごしているかについても「それも知りません」と話した。

ゴーン被告の会見については、今週中に開くのは難しいとし「落ち着いて、気力が充実した時点でやるのがいい。まだ体力も戻ってない時にやるのは良くないという判断です」。

保釈の際、スズキの軽ワゴン車が使われたことについて「私が手配したわけではないので、でも日産の車を使わない方が良かったのかも知れませんね」。

変装を勧めた弁護士の意図については「メディアスクラムで大変だろうと。何とかそうならないようにすむための考えた末の案だったんでしょうけど、思った以上のメディアの取材力、刑務所の職員の方がゾロゾロ動いたり、その辺が想定外だったみたいです。やっぱりうまくいかなかったということのようです」と話した。

自身の意見として「胸を張って出るというよりは、庶民的というか、ユーモラスというか。弁護士の指示に従って作戦に乗るのも、ありかなと思っています」。ゴーン被告本人も「結構面白がったという話です」と明かした。「でも眼光鋭いからすぐバレたって話もありますけど」と苦笑いしながら話した。

保釈条件の1つである監視カメラは7日から、すでに稼働しているという。監視方法については「3つの(弁護士)事務所にそれなりのマンパワーがありますから、分担してやることになると思います」。携帯電話についても、本人が発着信を消しても記録が残るものという。