発生から24年になる地下鉄サリン事件を風化させまいと「地下鉄サリン事件から24年の集い」が16日、東京・お茶の水の連合会館で開かれた。関係者や市民ら約200人が参加した。

1995年3月20日、オウム真理教の信者によって、東京都内の地下鉄車内で猛毒ガスのサリンがまかれ、13人が死亡、6000人以上が負傷した事件。昨年7月、首謀者の松本智津夫・元死刑囚ら13人の死刑が執行された。

会合では、被害者支援に取り組む中村裕二弁護士が「オウムの暴走を許したのは誰か!」と題して講演。警察が宗教法人に対する捜査に及び腰だったことや、都道府県をまたがる事件の捜査が円滑に進まなかったこと、見当違いの捜査を続けたことなどを指摘。メディアがオウムを厳しく追及しなかったことも一因となって、数々の犯罪を止められなかったと結論づけた。

目黒公証役場事務長監禁致死事件の被害者遺族、仮谷実さん、地下鉄サリン事件の遺族、高橋シズヱさんが対談。「当事者には事件の風化はない」「心の傷は風化しない」などと話し合った。