新元号「令和」初日の1日、令和“発祥の地”福岡県太宰府市の史跡・大宰府政庁跡で、1500人を集め、令和の人文字が作られた。

令和は、対外防衛、外交の拠点として7世紀後半に置かれた大宰府の長官「帥(そち)」を務めた大伴旅人が、730年(天平2)正月13日に自宅で、梅の花を題材にした歌会「梅花の宴」を開き、詠んだとされる「万葉集」の「梅花の歌」三十二首の序文「初春の令月にして気淑よく風和らぎ」を引用した。人文字は、そのことを記念して太宰府市が企画した「新元号『令和』記念『時の旅人プロジェクト』~時空を超えて1300年~」の一環として行われた。

人文字の制作は、「大宰府政庁跡に『令和』の人文字をつくる会」が主催。参加した1000人は、太宰府市のホームページで4月26日に先着で募集を開始したが、半日で定員に達し、締め切ったという。その先着の人々に加え、当日集まった500人も加えて人文字を作った。大きさは縦60メートル、横40メートルで、字の周囲に梅の花3輪も参加者を集めて作った。

この日は午前6時半から大宰府政庁跡で受け付けを開始した。前日4月30日に続き、この日もあいにくの雨模様だったが、式典15分前の午前7時15分に雨も上がった。

楠田大蔵太宰府市長(44)は「多くの市内外の皆さんにお集いいただいて、1000人規模での令和の人文字が実現できましたこと、大変ありがたく思っております。昨日は雨の中から大変ご準備いただいた。新元号・令和にご縁をいただき、大変ありがたいこと」とあいさつした。

小川洋福岡県知事(69)も駆け付け、楠田市長とともに人文字に参加した。小川知事は「皆さんとともに参加できますことを大変うれしく思います。天皇陛下のご即位、心からお慶びを申し上げたいと思います。新しい元号は福岡県民にとって親しみが持てる」と言い、笑みを浮かべた。【村上幸将】