千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10)が1月に自宅浴室で死亡した虐待事件で、父勇一郎被告(41=傷害致死罪で起訴)の暴行を制止しなかったとして傷害ほう助罪に問われた母なぎさ被告(32)の初公判が16日、千葉地裁で開かれた。憔悴(しょうすい)しきった様子で、心愛さんについて聞かれた時、涙声になる場面もあった。起訴内容を「間違いありません」と認め、検察側は懲役2年を求刑。即日結審した。判決は6月26日。

なぎさ被告の供述調書が証拠として提出され、心愛さんが亡くなる直前の虐待の実態が明らかになった。

1月21日に勇一郎被告がインフルエンザになり、終日自宅にいた。「心愛の存在自体が嫌」と言い、寝室に閉じこめ、トイレにも行かせなかった。心愛さんはお漏らししたという。

22日午後10時ごろから、勇一郎被告は心愛さんに「壁に向いて立ってろ」と命令し、23日の明け方まで、そばで監視していた。23日は「風呂場で駆け足してろ」と命令した。

24日未明に「お漏らしした罰として風呂場で午前10時まで立ってろ」と命令。なぎさ被告が寒さを感じるほど、冷え込んでいたが、24日午前に風呂場で、心愛さんは肌着1枚、パンツ1枚が、ぬれて透けて見える状態だった。午後1時ごろ、勇一郎被告は「5秒以内に服を脱げ。5、4、3、2、1」とカウントダウン。心愛さんはすぐ脱げなかった。脱ぐ気力すらなかったように見えたという。

その後、勇一郎被告はボウルに入れた冷水を3回、心愛さんにかけた。震える心愛さんがシャワーのお湯を出そうとすると「お湯はダメだ。ママがいると甘える」と言い、背中や頭に冷水に切り替えて浴びせた。23、24日は心愛さんに食事を与えてなかったという。