実業家の堀江貴文氏(46)が出資、設立した北海道大樹町の宇宙開発ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」が26日、都内で会見を開いた。

その中で、5月4日に民間単独では日本で初めて宇宙空間とされる高度100キロを突破する「準軌道(サブオービタル)宇宙飛行」に成功した「MOMO」3号機に続く4号機を、2カ月後をメドに発射すると発表した。堀江氏は、発射の具体的な日時は明言しなかったが「先日の打ち上げから2カ月後くらいの打ち上げになる」と語った。

堀江氏は「MOMO」4号機の機体について「ほとんどは3号機の予備部品として、あらかじめ用意されていたものなので、1カ月程度で組み立てが出来るようになっている」と説明。その上で「設計も、より量産型で簡単に組めるように改良していく。今後、5、6、7号機と今年から来年にかけて打ち上げていくと思う。割り化し早いスパンで打ち上げられると思う」と今後の量産化についても見通しを示した。

そして、4号機の発射が成功したあかつきには「本格的なサブオービタルロケットの商業化の段階に進める。我々にとっては非常に大きな意味を持つ打ち上げ。ぜひ成功したい。非常に収益性の高い事業になるんではないかと思う」と、サブオービタルロケットの商業化の可能性についても言及し、自信を見せた。

インターステラテクノロジズのプロジェクトは、97年に低価格の小ロケット開発の検討を始めた有志が、04年に堀江氏に話を持ち込み、翌05年に民間宇宙開発を目指す組織「なつのロケット団」を結成したことに端を発する。17年7月に打ち上げた「MOMO」初号機は、発射から66秒で通信途絶。18年6月に打ち上げた2号機も、離陸から8秒で墜落した。

3号機も、打ち上げを予定していた今年4月30日にバルブの不具合が見つかった上、その後、3日間は強風で打ち上げが見送られたが、5月4日に午前5時45分に打ち上げ、約4分後に最大高度113・4キロ(速報値)に到達。8分35秒の飛行後、発射地点から東南東37キロの海上に着水し、民間単独では日本で初めて宇宙空間とされる高度100キロを突破する「準軌道宇宙飛行」に成功した。

同社は今後、軌道投入機(2段ロケット)「ZERO」の開発に取り組む。堀江氏は「開発中の軌道投入機に関しても『MOMO』3号機の成功を受けて、資金調達なども順調に進んでいる。飛ばすところまでは何とか資金が持つかな、という状況。これからも注視していただきたい」と語った。

「MOMO」4号機の機体公開会見は、7月4日に北海道大樹町宇宙交流センターSORAで開催する。【村上幸将】