旧民主党政権幹部ながら、無所属のまま自民党二階派入りした細野豪志衆院議員(47)が15日、大激戦区の滋賀選挙区(改選数1)の自民党候補の応援に入った。今回の参院選で自民党候補の応援に入るのは初めて。滋賀県豊郷町でマイクを握った細野氏は、地元の県会議員の名前を挙げ「今日は違う場所で支援のお願いをされているので、私が代わってみなさんにお願いします」と“代打登板”を強調した。応援のはずが、細野氏の横に自民党候補者はいなかった。

滋賀県出身の細野氏は「滋賀は激戦区」と自民党候補の名前を連呼し、支援を呼びかけた。さらに自らが自民党の派閥入りした理由を説明し「安倍外交を前に進めていくべきだと思う」と訴えた。

一方、自民現職で再選を目指す二之湯武史氏(42)の選挙事務所は「こちらでは呼んでない。ノータッチだ」と応援要請を否定。この日、二之湯氏は細野氏と行動をともにすることはなかった。二之湯氏は、衆院静岡5区で細野氏と議席を争う吉川赳議員と同じ岸田派。関係者によると、滋賀1区の大岡敏孝議員(二階派)が、自民入りを目指す細野氏に“応援”を頼んだという。

滋賀選挙区は二之湯氏と、野党統一候補で無所属新顔の嘉田由紀子候補(69)が横一線の大激戦。細野氏の“自民デビュー戦”に配慮するほどの余裕はないという。二之湯氏は街頭演説で「自民党と公明党がしっかりと安定して政治を進めてきた。この滋賀県を前に進められるのは、私、二之湯武史しかいない」と声をからした。一方の嘉田氏は「相手は巨大な与党、軍艦だ。こちらは琵琶湖に出ている手こぎ船のようなもの」と訴えながら、2期8年の滋賀県知事の実績もアピール。1歩も引かない戦いが続く。【松浦隆司】