岩手県大槌町で発生した山林火災は2日目の23日も延焼を続け、約200ヘクタールを焼いた。災害派遣要請を受けた自衛隊も加わり消火活動を行っているが、鎮火の見通しは立っていない。住宅を含む建物7棟の被害を確認。町は23日午後までに1229世帯2588人に避難指示を出した。
町や県などによると、火災は複数箇所で発生し、延焼面積は23日午前6時時点、小鎚地区で約23ヘクタール、吉里吉里地区周辺で約178ヘクタール。火が住宅から100メートルほどの距離に近づいている所もあるという。23日も乾燥注意報が出ており、町と県は長期化を懸念している。
23日は地元と県内からの応援の消防が地上で消火活動を行い、県と自衛隊のヘリコプターも上空から実施した。町内の小中高は週内の休校を決めた。岩手県は23日、災害対策本部を設置。町に災害救助法の適用を決めた。避難所の開設費用などを支援する。
火災は22日午後1時50分ごろ小鎚地区で発生。約2時間半後には約10キロ離れた吉里吉里地区周辺の山林でも起きた。避難所では、転倒した60代女性が顎にけがをした。
避難指示が出た吉里吉里や安渡、赤浜地区は海に近く、2011年の震災の津波で大きな被害に遭った。安渡地区のアルバイトの男性(77)は、山林から数十メートルの距離にある高台に自宅を再建。「火は家とは反対側に広がっていったが、風向きが変われば」と案じていた。
「みんなが頑張って再建してきたのに、また災害が起きるとは…」。安渡地区の介護福祉士荻野貴紀さん(55)は、復興した町を高台から見下ろしながらこぼした。22日夜は避難所の駐車場で車中泊をしようとしたが「寝られなかった」。翌日午前3時ごろ、心配で自宅に戻り朝まで過ごした。津波に流された後、山を切り開き高台に建てた家。不安は拭えないが「やっぱり自宅にいる方が安心感がある。早く鎮火のめどが立ってほしい」と話した。(共同)

