台風15号通過から4日目となった12日、千葉県の一部では停電が続いた。

東京電力によると、県内では同日午後10時半時点で依然、約26万戸が停電しており、全面復旧は13日以降になるとしている。多くの民家の屋根から瓦がはがれ、ブルーシートがかぶせられたまま。食べ物の備蓄も底をつくなど住民は厳しい生活を強いられている。

南房総市富浦町に住む60代男性は「60年住んでてこんなの初めて。瓦がはがれて2階がびしょぬれ。どうしようもない」と嘆いた。

主婦渡辺勢津子さんは一刻も早いライフラインの復旧を願った。「電気がないとどうにもならない。暑くて寝られないし、水は出ても、浄化槽が回っていないから4日たって臭いが限界…」と訴えた。近所のコンビニでも品薄が続き、食べ物などが入ってもすぐ売り切れてしまうという。「電波がほとんど届かないので情報が入ってこない…」。信号機も消えたままだ。

富浦町多々良地区ではこの日、自治会が備蓄食料を公会堂で配布。区長の大山龍一さん(66)は「400戸あるので1000食用意していた。まさか使う日が来るとは…。でもよかった」と話した。南房総市内でも電気が復旧している地域もあり、近所で声を掛け合って風呂を借りたり、料理を運んだりと助け合っているという。一刻も早いライフラインの復旧はもちろん、名産の琵琶やカーネーションの多くの畑が被害に遭うなど継続的な支援が必要だ。【佐藤成】