台風15号の影響で、千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が倒れ込んで住宅被害が出ている問題で、鉄柱撤去作業を無償で行うと表明した東京都江戸川区の大手解体業者「フジムラ」担当者が27日、取材に応じた。

同社は10年前、江戸川区と「災害時における重機機材及びオペレーターの供給に関する協定」を締結。以降、区の大規模防災訓練に毎年参加している。災害時はすぐに出動できる体制を普段から整えている。

担当者によると、同社は被害住民を助けたいと、台風が通過した翌10日には、練習場と市に支援を申し入れた。練習場とはすぐ連絡が取れず、市の担当に話したが、その後、連絡がなかったという。14日に「撤去業者が決まらない」というニュースを見て、再び市に連絡した。市の担当間の申し伝えがうまくいっていなかったとみられ、その後、すぐに練習場から「ぜひよろしくお願いします」と連絡があったという。

担当者は今回の鉄柱撤去には、概算で約4000万円はかかるとみている。

「フジムラ」関係者は26日の住民説明会で、撤去に対する同意書の提出期限を29日とし、全世帯が同意した場合、早ければ10月1日から撤去を始められると説明している。担当者は「『早く撤去してほしい』との声も多かったので、可能な限り、最短の日程をお伝えした」とした上で「当然、全世帯の方から同意がなければ進められません。強行するつもりは一切ありません」と強調している。

また、一部で練習場が台風時にネットを降ろさなかったことを指摘されているが、担当者によると、ネットは固定された状態だったという。