国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典(本名・康博)被告(66)と妻諄子(本名・真美)被告(62)が31日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。

両被告は前日30日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた論告求刑公判で、検察側からいずれも懲役7年を求刑された。

籠池氏は、会見の冒頭で「昨日、求刑が言われまして、私だけならともかく、家内も懲役7年。驚くべきことで、冤罪(えんざい)でありまして」と切り出した。同氏は安倍晋三首相と昭恵夫人が、小学校開設を応援し、100万円の寄付をしたと従来通り、繰り返した。その上で、妻が求刑されたのは「安倍昭恵夫人と仲が良かったということが大きかったのだと思います」と主張した。

籠池氏はその後、25分間、語り続けた。その中で「国会で質問され、最初は対応していると言っていたが、途中から方針を変え、私たちをトカゲのしっぽを切るかのごとく切った。そして私たち夫婦、特に家内を、同じ社会にいたら、いろいろなことを言うからと、多少、不正なところがあった補助金のところに入ってきて、300日も拘束した」と安倍首相を批判した。

籠池氏は「小学校の開設は政権にとっても重要だったと思うが、問題が起きたら私たちを切った。話せば国民も良いことをする学校だと分かってくれたはずだが、切った。私たちは安倍さんと近しいところにいたからひょう変したのが分かる」と、安倍首相が変節したと強調。その上で「どれだけウソをついているか、統制しているかが、よく分かった。デマをドンドン出して、国民を誘導していくことが巧みな政権です」と批判した。

籠池氏は、森友学園問題と並んで問題とされている、加計学園問題を引き合いに「私は首相に対する反逆罪をしたことで断罪されている。そうですかと黙っておれば、加計学園みたいなことになっていたでしょう」と、政権の言うことを聞き、物を申さなければ、無事だったのではないか? と語った。その上で「なぜ、それが出来なかったか…私が教育者だからです」とひときわ、声を大にして言い切った。【村上幸将】