東京都新宿区で「はとバス」(東京)の観光バスが、ハイヤーに追突して乗り上げ、ハイヤーの運転手が亡くなった死亡事故で、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで現行犯逮捕されたバスの男性運転手(37)が、インフルエンザに罹患(りかん)していたことが5日、分かった。

はとバスは取材に応じ、担当者は「事故後の検査で、インフルエンザと診断されたことは把握しています」と説明した。

はとバスによると、運転手は事故2日前の3日に風邪気味だったため市販薬を飲んで就寝し、翌4日も念のため再度、同じ市販薬を飲み、午後6時40分に出勤した。事故当日の5日は、朝の点呼時に体調不良がなかったため、会社側に体調について申告しなかったという。会社側も、運転手の様子から体調不良と判断することはなかった。

運転手は5日、会社の聞き取りに電話で応じ、事故当時の様子について語った。はとバスの担当者によると、運転手は事故当時の状況について「お客さまがお食事しているところにお迎えに行く最中、事故を起こした前後の記憶がなく、気が付いた時には街路樹に衝突していた」と説明したという。【村上幸将】