囲碁の最年少プロ、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が26日、大阪市の日本棋院関西総本部で打たれた第46期名人戦予選Cで山田和貴雄七段(50)を破り、年内ラスト対局を白星で飾った。鮮やかな逆転勝ちに、関係者は「すみれマジック」と驚いた。通算成績は17勝7敗。

年齢差は40歳。対局時間は3時間。144手までで白番中押し勝ちした仲邑は「終盤になり、勝てそうだなと思った」。井山裕太3冠の師匠、石井邦生九段(78)は逆転勝ちに「相手が魅入られたように打ってはいけない手を打ってしまう。まさに“すみれマジック”です」と驚いた。

これで通算成績は17勝7敗。勝率7割8厘。同期13人の中では勝利数、勝率ともに堂々のトップだ。積み重ねた17個の白星に「今年は思ったよりも勝てた」と笑顔を見せ、4月にデビューしてから約9カ月について「けっこう早かった」と振り返った。

年末は囲碁の国内合宿があり、年始は韓国へ修行に行く予定。来年の目標を聞かれた仲邑は「強くなりたいです」と意気込んだ。