昨年の参院選で初当選した日本維新の会の音喜多駿参院議員は30日の参院予算委員会で、男性の育児休暇や育児休業をめぐり、「育児休業」を取得中の小泉進次郎環境相に、提案をまじえながら「育休議論」を挑んだ。

2児の父でもある音喜多氏は「小泉大臣が育休を取ることには大賛成だ。心からエールを送りたい」とした上で「母親のサポートだけではなく、乳児と2人きりの主体的な時間を多くつくってもらい、その経験を広く政策に還元してほしい」と、主体的な育児参加を求めた。一方で、歳費が満額支給される国会議員の育休取得には批判があることも指摘。歳費の自主返納ができないものかと提案した。

進次郎氏は、国会議員に正式な育児休業のシステムがないことに触れ「どういう根拠で歳費を返納するのか。それが国会改革の呼び水になるのか、返納の際に被災地への寄付が(可能か)当てはまるのかを含めて、この機会に議論を盛り上げていただければ、社会を変える1つの機会になる」と、議論の盛り上がりへの期待を示すにとどめた。

音喜多氏は、男性が育休を取りたいのに取れない背景として、大企業に比べて、中小企業や非正規雇用者、フリーランスで働く人々は、制度から「置いてけぼりになっている」現実があると指摘。進次郎氏に「どういう問題意識、課題を持って育休を取ったのか」と、迫った。

進次郎氏は「私が目指すのは、1人1人の事情に応じて働きやすい社会。それをつくるため、これからも責務をまっとうしたい」などと応じたが、音喜多氏は「残念ながら、具体策はお聞きできなかった」と述べ、「取得が進まない原因は、日本の労働市場の硬直化とセーフティーネットの不足だ」と主張。「解雇規制を緩和して、雇用を流動化する。同時に無条件、無期限のベーシックインカム、または給付付き税額控除で、働けない期間の社会保障と労働市場の一体改革こそが必要ではないか」と、持論を訴えた。