安倍晋三首相は17日午後の衆院予算委員会で、午前中の質疑で立憲民主党の辻元清美幹事長代行が、「桜を見る会」前夜祭の開催ホテルから、会合をめぐり、これまでの首相の答弁とは異なる回答が寄せられたと指摘したことについて「辻元さんには、あくまで一般論で答えたとのことだった」と、反論した。

辻元氏は、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」に対し、主催者に見積書や明細書などを発行しないケースはあったか、領収書を手書きで書いたり、宛名を空欄にしたりしたことがあったかと書面で質問し、「ございません」との答えが書面であったと明かした。

しかし、首相は、同じホテル側が「個別の案件については営業の秘密にかかわるため回答に含まれていない」と答えたと主張。辻元氏がホテルから伝えられた回答と、首相が得たとする内容が異なる状況になった。

辻元氏の流れを受けて質問した小川淳也議員は、「ホテル側は辻元氏に対し、ホテル側の信用にかけてきちんと書面で回答している。総理も書面で照会し、書面で返答を受けるようにしてほしい」と述べ、辻元氏と同様に、書面で回答するよう求めた。

しかし、首相は「(確認作業のために)努力を重ねて、私の口から述べているのに、信用できないなら予算委員会は成立しない」となど述べ、疑問があるなら、野党側がホテル側にあらためて問い合わせるべきだと述べた。

「午前中に、辻元氏から『書面で回答を』という要求はなかった」「答えたら、また新たな要求が次から次へと来る」と不満を述べ、自らの主張をホテル側に書面にしてもらうことには、一貫して難色を示し続けた。

ただ、野党側は、明細書や領収書など、首相にかけられた疑惑を晴らす証明となる文書がこれまで一切出ていないことを踏まえ、今回辻元氏が、事実関係が文字に残る書面で問い合わせたことを踏まえ、首相も書面で立証責任を果たすよう、求めた。

一方、首相は、辻元氏の問い合わせ先が、広報推進室だったことに触れ「業務をしているのは営業で、われわれは営業と話している」と発言。小川氏は「ホテルの広報が正確でないことを言っているような言い方は、ホテルに失礼だ。(回答に当たっては、広報セクションが)営業に確認しているに決まっている」と、首相の答弁に疑問を呈した。