安倍晋三首相は1日の参院決算委員会で、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令に関する判断をめぐり「最悪を想定し、既にさまざまな可能性などについて準備を進めている」と述べた。即時の宣言発令は否定した。

一方、東京都内の感染拡大を踏まえ、国に早期の宣言発令を求めてきた日本医師会は、国よりも先に「医療危機的状況」を宣言、強い危機感を示した。東京都ではこの日、新たに66人の感染を確認、若年層の割合がじわじわ増加している。

【世界のロックダウンの例】

■中国・武漢 道路、鉄道、空港などすべての交通網を1月23日に閉鎖し、都市全体を完全に封鎖した。

■イタリア 全土で不要不急の外出禁止。外出は基本1人で、申告書を携帯する。違反は罰金。食料品や薬局などを除くすべての商店や施設が営業停止。スーパーなどでは人との距離を保つ「ソーシャルディスタンス」を守るため、列ができている。ほか欧米各国でも基本イタリア同様の対応が多い。

■フランス 生活必需品の買い物や通院などを除き、自宅待機。やむなく外出の場合は申告書を携帯。違反には罰則があり、累犯は罰金約44万円。健康維持の運動は1人で、自宅から1キロ以内などで認められる。

■ドイツ 出歩く時は基本1人。公共の場で基本3人以上集まるのは禁止。飲食店は、配達や持ち帰りは可。人と人の距離を1・5メートル空ける。

■英国 必需品の買い物、通院、必要な通勤など以外は外出禁止。違反は罰金約4000円。ほぼすべての飲食店、施設などは閉鎖。

■米国 連邦政府が非常事態宣言を出し、全50州のうち20州以上で不要不急の外出が原則、禁止。内容は各州で異なり、ニューヨーク州は原則、州内の企業の全従業員を在宅勤務とした。サンフランシスコなどカリフォルニア州では屋内退避令が出され、銀行、ガソリンスタンドなども営業中。ゴミ収集も行われ、ペットの散歩などはできる。