東京都は7日、東京都中央区にある宿泊施設「東横INN東京駅新大橋前」で、軽症者など100人程度の受け入れを開始した。

午後3時過ぎ、軽症者と思われる数人を乗せた白色のワンボックスカーが到着し、患者が自ら徒歩でホテルのエントランスを入った。運転手は防護服にマスク姿だった。到着した際に、後部座席に座っていた男性はスマートフォンで報道陣を撮影している様子だった。初日となったこの日は10人程度が移る予定。

より症状の重い感染者に病床を優先し、医療崩壊を防ぐ狙いがある。軽症者らは同日から、都が借り上げたホテルに順次移り、最終的に100人程度が収容される。都は同様の取り組みを進め、宿泊施設の1000室確保を目指している。

24時間以内に37・5度以上の発熱がない感染者を対象とし、移送や食事、滞在などの費用は公費で賄う。ホテルには都の職員や看護師が交代で常駐し、日中は医師も待機する。職員らと感染者は接触しないようにエレベーターや通路を使い分けるとしている。

7日朝、ホテルでは災害派遣要請を受けた陸上自衛隊員が、ビニール手袋など物資を運び込み、受け入れ準備を進めた。

都内では6日までに感染者数が累計1100人を突破した。感染拡大のペースが速く、都は医療機関の協力を得て空き病床の確保を急ぐ。複数の入所者が感染した大田区の特別養護老人ホームでは、入院先が決まらずに一時的に待機するケースも出ている。

小池百合子知事は6日の記者会見で「今後、宿泊療養施設を1000室まで準備し、重症者の病床を確保したい」と話した。【佐藤勝亮】