新型コロナウイルス感染症対策に当たる政府の専門家会議メンバーの1人で、厚労省クラスター対策班に加わっている北大の西浦博教授は22日夜、都内で開かれた同会議の会見で、感染の終息の見通しを問われて「当面の見込みとしては、今すぐに、これまでと同じ生活は帰ってこない」と述べ、従来の社会生活が戻るまでには時間がかかるとの見通しを示した。

感染者数の増加が続く現状については「数カ月単位に収めたい」と、希望を述べた。「あまりにも通常の生活に戻って(再び感染者数が)増加するなら、(今の状態を)繰り返さざるを得ないといけない」と、現状の対策を維持するよう、国民に警鐘を鳴らした。

安倍晋三首相や東京都の小池百合子知事は、新型コロナウイルスとの闘いについて「長期戦」になると、国民に呼びかけている。西浦氏は「この1年は、この状況と付き合っていかなければいけないと思う」と述べ、長期戦に備える覚悟が必要と、あらためて呼びかけた。