新型コロナウイルスの影響で、3月末からイベントを休止していたライブハウスが、再開に向けて第1歩を踏み出した。浜松市中区のライブハウス「浜松窓枠」はこのほど、実験的な公演を行った。観客を1公演15人に限定。450人収容の会場に、前後左右2メートルの間隔で着席してもらった。

感染対策を徹底し、電子チケットをネット上での事前決済で販売した。ステージ上にしぶき防止フィルムを設置し、観客との間を仕切った。入り口で来場者にマスク着用や検温、アルコール消毒を実施。30分ずつの2回公演で、観客の入れ替え時に換気した。

同市在住の3人組音楽ユニットJam9(ジャムナイン)のGiz’Mo(ギズモ=39)がソロで熱唱。131日ぶりにステージへ上がり、外出自粛期間中に自宅で制作した自身初のソロアルバムから、5曲を歌い上げた。公演後、「(お客が目前で)笑ってくれ、体を揺らしてくれた。音楽の持つ、人と人をつなぐ力を改めて実感した」と話した。2公演分のチケットは、販売開始4分で完売。予想以上の反響に手ごたえをつかんだ様子だった。

浜松窓枠の上嶋潤社長(42)は3カ月ぶりの公演を見届けて、「まだ先は分からないけど、ひとまず良いスタートが切れた」と明るい表情を見せた。今回の公演を検証し、本格的な営業再開を目指す。【倉橋徹也】