将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が木村一基王位(47)に先勝した、第61期王位戦7番勝負第2局が13日からの2日制で、札幌市「ホテルエミシア札幌」で行われる。対局前日の12日、両対局者は現地入り。会場を検分した後、それぞれ記者会見に応じた。

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「飛行機は小さい頃、家族で北海道に旅行して以来ですから、ちょっと緊張しました」。藤井が思わず顔をほころばせた。堂々たる指し回しを見せる大物が、17歳の少年らしさを出したのはここだけ。ほかでは、落ち着いた対応を見せた。

掛け持ちで挑戦している9日の棋聖戦5番勝負第3局では、渡辺明棋聖(36)に敗れた。史上最年少のタイトル獲得は、第4局(16日)以降に持ち越された。「内容を反省して、次につなげられる部分もあった。生かしていきたい」と前向きだ。中3日での対局にも、「自分としてはいい状態をキープしている」と言い切る。

2日制、持ち時間8時間の7番勝負は2回目。「初めてだった前回の経験して分かったことを生かし、ペース配分をうまくしたい。じっくり考えられるので1手1手集中したい。その前にしっかり寝ることが大事」。自らに言い聞かせるように話した。

決意表明の場で、思わぬ「封じ手」も出た。「勝負メシ」でもあるランチに話題が及んだ時だ。「自分では決めていますが、明日に入ってから」と、けむに巻く。「北海道はおいしい物が多いから楽しみ」と含みを持たせた。

ホテルが用意しているメニューは、「エビ、ホタテ、タラバガニなどの天丼とそばセット」「海鮮チャーハンなどの中華セットランチ」「ビーフステーキカレー」「ビーフシチュー」の4種。対局での封じ手は展開次第だが、こちらの「1手」にも注目だ。【赤塚辰浩】