小泉進次郎環境相は15日、安倍内閣の閣僚として最後となる閣議後会見に臨んだ。1年前の就任当時「環境省は『社会変革担当省』だ」と呼びかけた言葉を引き合いに「実際は、環境省が私のことを変革してくれた。私自身の生き方や考えについて、より持続可能な社会をつくっていく1人となるために、必要な思いを注入してもらった」と述べ、謝意を示した。

具体的に、何を変革してもらったのかと問われると「今回の総裁選では気候変動の課題は取り上げられなかったが、今後は間違いなく変わっていく。この課題は(思想の)右や左、イデオロギーを超えて、どういう課題であっても間違いなく、世界諸国のように最重要の課題の1つになるし、なっていかないといけない。そういう私の中の確信を、環境省の皆さんに植え付けてもらった」と述べた。

この1年でしんどかった思い出を問われると、7月に発表した石炭火力の輸出支援原則禁止に向けて難航した、水面下の調整に言及。「省内でも、本当に(物事が)動くという思いを共有できていたかといえば、議論では相当難しいこともあった。見直しが実現した後、担当の方からかけられた言葉は、一生忘れることはないと思う」と、振り返った。

「しんどい思いをしてでも、本当に変えるならそこまでしないと変えられなかった。環境省という1つの省で完結できる改革ではなく、他省庁にまたがる改革を突破することがいかに大変かを感じた」と、調整の過程で学びがあったことを強調。自民党の新総裁に就任した菅義偉官房長官が、首相就任後、取り組みたい課題の1つに「縦割り行政の打破」を挙げたことに触れ「私も同じように、改革をやりたい。関係省庁の壁を打破していきたい」と、意欲を示した。