新型コロナウイルス感染後の後遺症は、年齢に関係ない-。

東京都が4日、都庁で開いた新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で、東京iCDC専門家ボードから「後遺症に関する疫学調査」が示された。

国立国際医療研究センターを昨年2月から6月に退院した計63人が対象で、14日間以上の後遺症が認められた患者は76%(48人)だった。20代も75%、30代も83%と、年代に関係なく後遺症に悩む患者が多いことが判明。せき、呼吸困難、倦怠(けんたい)感、嗅覚や味覚障がいに加え、24%の患者に脱毛症状もみられた。

さらに発症後2カ月で48%、4カ月たっても27%が何らかの後遺症を認めたことも報告された。会議に出席した同センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「若年者でも一定数、後遺症で苦しんでいる方がいる。多様な症状が月単位で長引き、回復者の生活の質を低下させ、美容というデリケートな面でも問題がある。課題を踏まえ、さらに調査を進めていく」と説明。小池百合子都知事も「味覚に関しては『トンカツを食べてもゴムを食べているみたい』と聞いたこともある」と例を挙げ、危機感を訴えた。【鎌田直秀】