テニスの4大大会、全豪オープンで優勝した大坂なおみ(23)がラケットケースに付けていた赤色のお守りが大きな話題を呼んでいる。山口県岩国市にある白崎八幡宮の「必勝守」(1000円)とみられ、品切れの状態が続いている。

「必勝守」はスポーツや受験、勝負事のお守りで、赤、黒の2種類。禰宜(ねぎ)の山塚博史さんによると、優勝2日後の22日午前中、まず赤が品切れになった。その後、黒も品切れになり、似たお守りにも注目が拡大。「勝守」(1000円)の赤、黒2種類で、いずれも27日までに品切れになった。山塚さんは2つのお守りの違いを「『必勝守』には背水の陣を敷き、負けを排除する意味も込められている」と説明した。

山塚さんによると、「必勝守」関連の問い合わせは大坂の優勝から27日までに約6000件で、ほぼ全件予約につながった。参拝者も急増した。土曜日の参拝者は通常200人程度だが、27日は5倍の約1000人。「大反響です。若者からお年寄りまで、参拝者の列が朝から一日中、途切れなかった。正月がまた来たみたい」と驚いていた。

大坂優勝にあやかる「必勝守」購入者の年齢層は幅広く、目的もさまざまだ。「ご時世からか、新しくビジネスを始める人、商売をしている人をはじめ、『新型コロナウイルスに打ち勝ちたい』といった人が多いです。受験シーズンだったので、合格祈願を込め、孫にプレゼントするおじいちゃん、おばあちゃんもいました」(山塚さん)。

白崎八幡宮は鎌倉時代から続く歴史ある神社だが、時代に即し、お守りを通信販売している。現金書留での申し込みも受け付けているが、「必勝守」をインターネットで注文する人も多いという。山塚さんは「ネット担当者も朝から晩まで忙しくしています」と、うれしい悲鳴をあげた。【近藤由美子】