鹿児島・志布志市の岩本大介さん(41)が27日、地元でトーチを握って聖火をつないだ。

地元では毎年夏、海水浴シーズンに突入する直前に「ゴミ輪ピック」を開催する。志布志湾の砂浜ではウミガメが上陸して卵を産み付けていく。岩本さんはそのウミガメの産卵を見守り、きれいな砂浜を保っていく団体「セーブ・シータートル」を8年前に仲間とつくった。岩本さんは事務局長として活動している。

「志布志の浜には海から流れ着いたゴミが少なくない。このまま放っておいたら、そのうち素足で砂浜を歩けなくなるかもしれない」とし「ウミガメを通して地元の浜を守っていくことが目的なんです」と熱っぽく話す。

そこで考えついたのが「ゴミ輪ピック」だ。2019年から始めて、今年が3年目。5人1組となって、15チームが2時間の制限時間内でどのくらいの量のゴミを拾えるかを競う。

これまでは高校生のチームが「若さで100キロを超えるゴミを拾ってきた。砂の中も含めてどのくらい広範囲に探せるかかが、多く集めるコツになりますね」と岩本さんは笑う。

ウミガメには産卵期はない。1年で10回前後、砂浜にあがって穴を掘ってピンポン球に似た卵を産み落としていく。何ごともなければ60日前後でふ化して、海にかえっていく。

「できるだけ自然ふ化を目指しています。ただ、台風などで卵が流されてしまうことがあるから、そういう緊急事態では一時的に保護して、砂浜に戻すようにはしている。人間が手を加えずに自然の力にまかせたい。そういう海であってほしい」とポツリと語った。聖火をつなぐように志布志の海を守っていく気持ちを「つなげていきたい」と岩本さんは言葉に力を込めた。

◆27日の聖火リレー 17番目の鹿児島県に入った。初日の27日には奄美大島(奄美市)、28日は種子島(西之表市)と島にも聖火が巡っていく。その奄美大島ではマラソンファンで全国の会場で歌でランナーを励ます自称「シンガーソングライター」の元ザ・コブラツイスターズのボーカル川畑アキラ(52)が走った。

28日は最後は指宿市でアンカーは司会や俳優などでも活躍するホンジャマカ恵俊彰(56)がトーチを握る。