自民党の三原じゅん子厚労副大臣が「行方不明」問題で、野党から辞任要求を突きつけられた。18日の参院厚生労働委員会の冒頭で三原氏は、13日午後の同委員会を約30分遅刻したことについて田村憲久厚労相とともに陳謝し、「会期中は国会対応が優先という中、審議中に他の公務により離席し、委員会の審議にご迷惑をかけたことについて、おわび申し上げます」などと謝罪した。

三原氏の欠席は事前通告がなく、野党が反発し、審議はストップ。予定していた医療法改正案の採決は見送りとなった。三原氏は野党からの責任追及に「副大臣としての任をまっとうしていきたい」と、辞意の意思がないことを即答した。

欠席時は大臣官房や秘書官らも、三原氏の所在を把握できず、混乱した。立憲民主党の石橋通宏氏から「行方不明だったんです。私たちは聞いていなかったし、すぐに説明いただけませんでした。だから重大問題だ」などと糾弾された。

三原氏は「国会優先という認識は持っていた。与党筆頭理事に相談をさせていただき、数回、確認して判断した」などと釈明した。これに対して石橋氏から「与党筆頭理事には説明していない、と我々は説明を受けた」と反論されて防戦一方。三原氏は「簡潔明瞭にお伝えし、ご理解をいただけたという風に思っていた。もっと具体的にお伝えすれば、良かった」などと苦しい弁明に終始した。

野党から辞任を求める声が高まった。「あまりに副大臣としての自覚、職責に欠けた方だ。責任を取るべき」(石橋氏)や、社民党の福島瑞穂党首も「国会を軽視している。副大臣として不適格」とした。三原氏は辞任要求には屈しなかったが、経緯などを「審議されていると思います」と、力なく語って退室した。

三原氏は2019年6月の参院本会議で、安倍晋三前首相に対する問責決議案が与党など反対多数で否決された際、野党に対して「恥を知れ」などとドスの利いた口調で猛批判して存在感をアピールした。今度は野党から倍返しのブーメランを浴びることになった。【大上悟】