藤井聡太王位(棋聖=19)が渡辺明王将(名人・棋王=37)への挑戦権を争う挑戦者決定リーグを目指す、第71期ALSOK杯王将戦2次予選、石田直裕五段(32)戦が30日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。振り駒の結果、歩が3枚出て、先手は藤井で先手2六歩、後手石田後手8四歩とお互いに飛車先の歩を突いた。

王位戦、叡王戦とタイトル戦を掛け持ちしている藤井は、前々期4勝1敗同士の広瀬章人八段(34)と直接対決に敗れ、タイトル戦初登場を逃した。前期は羽生善治九段(50)豊島将之竜王(叡王=31)永瀬拓矢王座(28)に3連敗したのが尾を引き、初のリーグ陥落となった。今期は2次予選からのスタートで、3枠ある挑決リーグ入りを目指す。

石田とは3年前の6月に竜王戦5組決勝で激突した。この時は後手7七同飛成というプロ棋士も驚く成り捨ての一手を見せ、同組優勝を決めている。約3年ぶりの対戦で、今度はどんな一手が飛び出すか、目が離せない。

持ち時間は各3時間。30日夕方には決着の見込み。勝者は、稲葉陽八段(32)とリーグ入りをかけた2次予選決勝進出となる。