将棋の藤井聡太3冠(王位・叡王・棋聖=19)が史上最年少4冠獲得を目指して豊島将之竜王(31)に挑戦する、第34期竜王戦7番勝負第1局2日目が9日、東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で行われ、先手の藤井が123手で豊島を下し、先勝した。3連覇へ狙う豊島は手痛い逆転負けを喫した。

戦型は相掛かり。中盤からリードを広げたが、最終盤に逆転された豊島は「難しい将棋で、そんなに自信はなかった。どこかで間違えていると思う」と振り返った。

終盤まではリードしていたが「途中から悪くなってしまった。何か均衡を保つ手があればよかった」と悔やんだ。

藤井には公式戦の初対局から6連勝し、“藤井キラー”と呼ばれた。今年に入り、王位戦7番勝負、叡王戦5番勝負で押し戻され、これで藤井との対戦成績は9勝9敗のタイになった。

第2局に向け「気持ちを切り替えたい」と前を向いた。

 

◆竜王戦 九段戦、十段戦を発展的解消し、1988年(昭63)に創設。優勝賞金4400万円は将棋界最高金額。1~6組に格付けされたランキング戦(予選)を行う。1組の上位5人、2組の優勝者と2位、3~6組の優勝者の計11人による決勝トーナメントを行い、決勝進出両者による3番勝負で挑戦者を決める。竜王と挑戦者は例年10~12月に7番勝負を行う。89年にはタイトル戦初登場の羽生善治が、当時の最年少記録となる19歳3カ月で竜王を獲得。その羽生は18年に広瀬章人八段に敗れて竜王を失って以来、無冠となっている。かつては海外対局も行っていた。

【竜王戦7番勝負第2局以降の日程】

◆第2局 10月22、23日、京都市「総本山仁和寺」 ◆第3局 10月30、31日、福島県いわき市「雨情の宿 新つた」 ◆第4局 11月12、13日、山口県宇部市「ANAクラウンプラザホテル宇部」 ◆第5局 11月26、27日、岡山県倉敷市「円通寺」 ◆第6局 12月4、5日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」 ◆第7局 12月17、18日、山梨県甲府市「常磐ホテル」