囲碁の2022年度冬季採用棋士試験を突破した河原裕新初段(15)と依田大空新初段(18)が30日、東京都千代田区の日本棋院で記者会見を行った。今回の試験は16人による総当たり戦。どちらも10勝5敗でプロデビューを決めた。

藤沢一就八段(57)門下の河原は、最後に5連勝した。「5勝5敗になった時点で師匠から『坐禅に行け』と言われ、都内のお寺で1時間ほど組んでリラックスした」という。

東大医学部に通う4歳上の姉について小1から始め、めきめきと上達した。強くなる喜びを感じて、プロの道を目指した。目標は同じ都立白鴎高の先輩、一力遼天元(24)。「まずは新人王になりたい」と抱負を語った。

依田は最終局で決めた。14戦目を終え、4人が9勝5敗だった。この時から星取表を一切見なかった。最終局で河原と依田が勝ち、序列上位のライバル2人が敗れ、浮上した。最後に決まった星取表を1分ほど眺め、勝敗を何度も確認していたという。

父親が名人4連覇などタイトル獲得計36期の依田紀基九段(55)、母親は原幸子四段(50)というサラブレッド。3歳から始めたが、当初プロにはなる気がなかったという。「大きくなるにつれて集団行動が苦手になったし、分かりやすい勝負の世界が向いていると感じた」と志した。

中2で韓国に単身渡り、韓国棋院の研究生として修行した。また、プロを目指すようになって父と週1回程度打っていた。あこがれは韓国の申真■九段。もちろん、父のように勝てればとも思っている。「将来的には、依田大空の父親もすごい人だったと思われるくらいになりたい」とも話してい

た。

※■=言ベンに婿のツクリ