囲碁の史上最年少プロ、仲邑菫二段(12)が今年最後の対局を白星で終えた。27日、東京・市ケ谷の日本棋院東京本院で打たれた第41期女流本因坊戦予選で、徐文燕初段(16)に173手までで黒番(先手)中押し勝ちした。「判断が難しく形勢が分からなかった」と振り返った。

これで今年は43勝18敗。年間勝利数は上野愛咲美女流棋聖(20)の54勝、許家元十段(24)の45勝に次いで3位、対局数も上野の79、許の66、芝野虎丸九段(22)の63に次いで4位となった。また、3月18日から5月13日まで13連勝した。これは一力遼九段(24)の14連勝に次いで2位。4月1日から7月5日まで13連勝した福岡航太朗二段(16)と肩を並べる。

仲邑は一昨年17勝7敗、昨年21勝17敗。デビューから2年分の勝ち星を今年1年で上回った。今年1月に関西総本部から東京本院への移籍を発表し、中学進学を機に引っ越してきた。「研究会にいろいろと行けるようになり、年齢の近い若手棋士と打てるようになって刺激があります」。

その言葉どおり、多くの人と勉強する機会を増やして成績が飛躍した。「いろいろと学ぶことが多い1年でした。強くなったとは全然思っていないです。ただ、強い先生に勝つこともできたので自信になりました」。

実際、結果も出した。棋聖戦では初めて最下級のCリーグに入った。女流立葵杯は初の4強入りも果たした。1カ月ほど前には男性棋士に混じって戦う本因坊戦予選Cで、2005年(平17)の新人王で、11年には名人戦挑戦者決定リーグに入った金秀俊九段(42)にも勝っている。着実に力を付けている。

「来年は今年よりもさらにいい結果を出せるように頑張りたいです。女流棋戦や若手棋戦で上の方まで行きたいと思います」。2022年の飛躍の注目だ。