角川ドワンゴ学園N高等学校(N高)の卒業生で囲碁棋士の関航太郎天元(20)、上野愛咲美女流棋聖(20)の祝賀パーティーが12日、東京・品川「品川プリンスホテル」で行われた。同じN高卒業生では2018年(平30)のグランプリファイナル優勝、19年、20年と四大陸選手権を連覇したフィギュアスケートの紀平梨花(19)が昨年3月、特別表彰された例がある。同高によると、文科系の卒業生では例がないという。

関は昨年12月、囲碁の7大タイトル(棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段)の1つである天元を獲得。20歳0カ月での天元獲得は史上最年少、デビューから4年8カ月での7大タイトル獲得は史上最速になる。

上野は昨年、日本棋院の国内公式戦で54勝25敗。女流棋士として初めて年間最多勝を獲得した。今年1月には女流棋聖を防衛した。これらの偉業を祝した。

祝賀会では、後輩の囲碁部員各2人ずつと組んで「チーム関」対「チーム上野」で記念対局も開催。それぞれが印象に残っているタイトル戦の大盤解説も行った。

最後に関は「N高の学習があったからこそ、今の自分があると感じています。また、このような会を開催してもらえるよう精進していきたい」とあいさつ。上野も「2年前にN高を卒業したが、1年在学中に初めてタイトルを獲得(18年1月の女流棋聖)したことが印象に残っています。好きな時間に好きなだけ好きな勉強をしたいだけできるが自分には合っていた」と思い出話を披露した。

N高は沖縄県うるま市の伊計島に本校がある私立の通信制高校で16年に開校した通信制の高校。「N」にはNet、New、Next、Necessary、Neutralなど多くの意味を含む。21年にはS高も茨城県つくば市に開校。約2万人の生徒が全国で学んでいる。