北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」が遭難し、11人が死亡、15人が行方不明となった事故で、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の桂田精一社長への記者会見が27日午後、行われた。

桂田社長は、会見の冒頭で2度、土下座した。質疑応答の中で、会見に先立って行われた乗客の家族への説明会でも謝罪したかと聞かれると「はい」と認めた。事故の原因も「まだ分からない」と口にしたことを踏まえ「どこへの謝罪?」と聞かれると「今回のことを起こしてしまったので…全て間違え。実際に出航した」などと答えた。

質疑応答の中で、同業他社より早い時期に運航を始めた上、当日は海が荒れる可能性が高く漁船ですら出港しない中、KAZU Iを出港させたのは、会社の収益を優先させたからでは? との質問が飛んだ。桂田社長は「会社の収益は常に考えておりますが…そのために無理に出港させたと言うことですか? それは、ないです」とした。

また、今回の運航に際し、かけた保険について聞かれると「66人乗り…おひとり1億円の保険」と明かした。会社を存続させたいか? と聞かれると「そのことは全然、考えていない。従業員もいるが、考えていない」と答えた。