渡辺明名人(棋王=38)が挑戦者の斎藤慎太郎八段(29)に3勝1敗とリードして迎えた、将棋の第80期名人戦7番勝負第5局は29日、岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われた。28日からの2日制の対局は、29日午後8時20分、97手で先手の渡辺が勝ち、対戦成績4勝1敗で3連覇を果たした。

斎藤は昨年に続いて同じスコアで挑戦を退けられた。「おとなしい指し方にしてしまった。1日目はあまり自信がなかった。手が分からず難しくなったと思います」。再び名人戦の舞台に戻ろうと、渡辺への挑戦権を争う10人総当たりのA級順位戦を勝ち抜いた。「結果的に(昨年と)変化してなかった。まだまだ足りないところが多いと思います」と、悔しさをかみしめていた。