岸田文雄首相は21日、「政治とカネ」の問題で更迭した寺田稔前総務相の後任に、松本剛明元外相(63)を起用することを正式に発表した。

松本氏は民主党所属の国会議員だったが離党し、2017年に自民党に入党、麻生太郎副総裁が率いる麻生派に所属している。

麻生氏は岸田首相を支えると同時に、首相に影響力を持つ後見人的な立場でもある。松本氏の総務相就任で、現在の岸田内閣で閣僚を務める麻生派の議員は、4人となった。麻生派は、山際大志郎前経済再生相の辞任で一時3人に減ったが、松本氏の入閣で再び4人に「復活」。4人は、安倍派と並んで各派閥のポスト数としては現内閣では最多だ。

ちなみに、山際氏と、葉梨康弘前法相が更迭された際、岸田首相が後任にそれぞれ起用した後藤茂之経済再生相、斎藤健法相は、ともに無派閥。今回は、首相に影響力を持つ麻生氏の派閥の議員が、岸田派が持っていた総務相のポストに就く形になった。一方、首相の派閥の岸田派は、寺田氏が辞任したことで、閣僚は1人になった。

岸田首相は松本氏を起用した理由について、官邸で取材に応じ「自民党内で税制や情報通信、そしてデジタル社会推進、行政改革をはじめ、幅広い分野に精通し、閣僚経験もある」と説明した。その上で「今回の閣僚辞任について、私自身の任命責任を重く受け止めている。山積する課題へ取り組みを進めていくことで、職責を果たしていきたい」と述べたが、更迭閣僚が3人に及び、今後も増える可能性がある「辞任ドミノ」で首相の求心力は急速に低下しており、政権運営の厳しさが増している。