GK権田修一(33=清水)DF板倉滉(25=ボルシアMG)MF田中碧(24=デュッセルドルフ)三笘薫(25=ブライトン)が巣立った川崎市宮前区のサッカークラブ「さぎぬまSC」は、活動拠点の鷺沼小の体育館でパブリックビューイングを行った。子どもたちや保護者、卒団生ら約220人が「ニッポンコール」で試合を見守ったが、後半36分、権田の指をはじいてコスタリカのシュートが決まると、「あ~」と悲鳴が上がった。

1979年創立のさぎぬまSCはセレクションのない、小学生なら誰でも入会できる街のクラブ。これまで10人のJリーガーが生まれたが、W杯の代表は2014年ブラジル大会で第3GKだった権田だけだった。今回は4人。子どもたちは後半42分、47分と三笘が仕掛け、ゴールに迫ると、大声援を送り、バルーンスティックを鳴らした。

5年生の滝口翔太君は「点を取れるところで取れなかった。ドイツには逆転で勝ったので、スペインにも先輩たちの活躍で勝ってほしい」と残念そうに話した。沢田秀治代表(64)は「みんな一生懸命応援していた。大変残念な結果になりましたが、このような結果になっても下を向かず、次の試合に備える姿を見て、子どもたちの練習にきっと生きてくると思います」と前を向いた。

ドイツ戦では権田、板倉、田中が先発し、三笘が途中出場。4人そろってW杯のピッチに立った。コスタリカ戦も権田、板倉が先発し、三笘が後半、切り札として投入された。沢田代表は「子どもたちの大きな目標ができました。コロナで3年間、夏合宿(3泊4日)に行けなかった子どもたちには、きっと忘れられない思い出になったと思います」と話していた。【中嶋文明】