秋葉賢也復興相は29日の閣議後会見で、27日に予定していた福島県訪問を、自身に向けられた数々の疑惑や問題を受けた国会答弁の準備のために取りやめたことを謝罪するとともに、12月18日にあらためて福島を訪問する方向で調整していると強調した。

27日の福島県訪問では、大熊町の中間貯蔵施設や浪江町にある震災遺構となった小学校の視察など、東京電力福島第1原発事故からの復興にかかわる内容が予定されていた。

秋葉氏は「中間貯蔵施設の所在自治体のみなさまにはご迷惑をおかけし、心からおわびをしないといけない。国会でさまざまな質問が集中しており、国会での審議において丁寧に説明する必要があると思った」と釈明。「これまで現場主義でやってきた。それと同じように、疑念にも答えていく2つの使命があるという認識から、こういった判断をさせていただいた」「今のところ12月18日に伺うよう日程を調整をさせていただいている」と述べた。

訪問キャンセルは、国会を優先したためかと問われると「けしてそんなことはない。あくまでも被災地を優先でこれまで取り組んできたと自負している」と訴え「被災地優先だが、国会で問われていることもできる限り早いスピードで対応する必要があるのも事実。被災地ファーストでこれからも取り組んでいくことだ」と述べた。

復興相の資質や、職務を全うできているのかと問う質問には、就任以降、23回、被災地に足を運んだという“実績”を何度も何度も繰り返し「これまで23回、現地に足を運んだ中ではこういった(キャンセル)ことはなかった。今後こうした形で迷惑をかけないことが何より大事だ」と、話した。【中山知子】