将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王（王位・叡王・王将・棋聖＝20）が広瀬章人八段（35）の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負第6局が2、3の両日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われ、先手の藤井が113手で勝ち、4勝2敗でタイトルを初防衛した。通算タイトルは最速、最年少で歴代9位の11期目を獲得した。20歳4カ月での竜王初防衛は最年少記録。渡辺明名人（棋王＝38）の21歳7カ月を17年ぶりに更新した。

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最後まで見応えのある第6局だったと思います。藤井竜王は攻めが切れてしまえば逆転負けもあるなかで、「勝ち筋はこれしかない」という指し手を見せてくれました。やはり、攻め合いになると独壇場。史上最年少の竜王初防衛劇を演じてくれました。今年1月からタイトル戦のたびに相手が違っても、結果を出すのはお見事としか言いようがありません。

広瀬八段は今シリーズ、うまく工夫していました。今局は藤井竜王が2筋に打った角を1筋に追った際、その頭に歩を打った手が敗着です。1筋の藤井陣の一番下に飛車を打てば、先々は攻防に活用できたはずですから。「スコア以上の完敗」と話していましたが、11回のタイトル戦のなかで、最年少5冠を最も苦しめたと思いますよ。

来年早々には王将戦7番勝負が始まります。挑戦者決定リーグを6戦全勝で勝ち上がってきた羽生九段が相手ですし、盛り上がるはずです。竜王戦は、相掛かりか角換わりの将棋でした。王将戦で羽生九段が先手番なら、新しい作戦が出ると思います。矢倉かヒネリ飛車か横歩取りか振り飛車か。何を採用するのか、楽しみに待ちましょう。