最年少記録で竜王を初防衛した将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が4日、タイトル初防衛から一夜明けて鹿児島県指宿市「指宿白水館」で記者会見し、「千思万考(せんしばんこう)」と揮毫(きごう)した色紙を披露し、さらなる飛躍を誓った。

和装から一転、紺のスーツ姿で登場した藤井は「千思万考」について「竜王戦の2日制の長い持ち時間の中で、深く考えることもできた。一方で深く考える中で、すべてをしっかりと掘り下げて、比較することがなかなかできなかったところもあった」と振り返り、「1つの変化を深く掘り下げていくことも大事ですが、しっかりと考えて比較することも大事なこと。千思万考は考えを巡らすことなので、長い対局では意識していきたいと思った」と説明した。

年内のタイトル戦は終了し、年明けには将棋界のレジェンド・羽生を挑戦者に迎える第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(1月8日開幕)で初防衛を目指す。羽生は前人未到のタイトル通算100期を狙う。世代を超えた「スター対決」となる。「タイトル戦の大舞台で対戦できるのは非常に楽しみにしています」と話し、王将戦までは約1カ月ある準備期間について「それまでにしっかりと体調を整えていきたい」と万全の態勢で臨むことを誓った。