栃木県鹿沼市をシューマイの街にしようとPRするイベント「かぬまシウマイ博覧会 in TOKYO」が9日、東京都千代田区「丸の内KITTE」で始まった。同市は「おいしいシウマイ崎陽軒(きようけん)」のCMでおなじみ、崎陽軒(横浜市)の初代社長である故野並茂吉氏のふるさとでもある。野並氏が栃木なまりで「シーマイ」と発したことから、「シウマイ」と表記されたという。

2年前から鹿沼商工会議所が中心となり、PR活動をしてきた。昨年秋に福岡市や大阪市でイベントに出展したところ、「東京駅に近い場所でPRできるスペースがある」との情報を得た。すぐに会場を確保。東京で初めての試みとして行った。鹿沼市内で販売している豚肉たっぷりの商品の販売をはじめ、20のブースで観光ツアー、関連グッズなどまで展示、販売された。

3年前の台風19号で鹿沼市は大きな被害を受けた。2年前からのコロナ禍もあり、「暗い話題を吹き飛ばして、街を明るく」と、新たな取り組みとしてシューマイに注目した。

早速、2020年(令2)10月には崎陽軒と締結式を行った。昨年9月にはJR鹿沼駅前に「シウマイ像」も建てた。さらに今月5日には「かぬまシウマイ ミニ横丁」という自販機も設置した。現在では60を超える飲食店やスーパーなどで、それぞれ独自のシューマイ販売もしている。

食品業界だけではない。県内主要バス路線を持つ「関東自動車」は、来年1~3月に催行する東京発のツアーを売り出している。同社では鹿沼市と、隣接する宇都宮市との間で1日約50往復を運行している。こちらを「シウマイ餃子(ギョーザ)ライン」という、新たな路線名にする。

「30年以上前からギョーザの街として定着し、新幹線も停車する県庁所在地の宇都宮とは違う。鹿沼市では食べ歩きプラスアルファでPRできる方法も含めて、いろいろな人がアイデアを出してワンチームで前向きに動いていきたい」。鹿沼市商工会議所の水越啓悟課長(50)は言う。このイベント、11日まで開催されている。