2023年は、どんな年になるのでしょうか。9月1日には、関東大震災から100年となります。あらためて当時の教訓を学び、首都直下地震に備えませんか。

 

1923年(大12)9月1日(土)午前11時58分に、神奈川県西部を震源とするマグニチュード7・9の巨大地震が発生しました。激しい揺れなどに加え、昼食時だったため各地で火災が相次ぎ、全壊全焼流失家屋は29万を超え、死者・行方不明者は10万人以上になりました。特に旧東京市と旧横浜市の大規模火災の被害が甚大で、火災による犠牲者は約9割に上りました。

東京都は昨年、首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直しました。都内で最大の被害が想定されたのは、冬の午後6時、風速8メートルでマグニチュード7・3の都心南部直下地震が起きたケースで、建物は揺れなどで約8万2200棟が全壊、火災で約11万2200棟が焼失。死者6148人、負傷者9万3435人、帰宅困難者約453万人などとしています。

都は100年に当たり、シンポジウム、100年にふさわしい総合防災訓練、復興小公園(49カ所)の再生などの取り組みを検討しています。

都立横網町公園(墨田区)で震災や空襲の犠牲者を慰霊している東京都慰霊協会は昨年から、震災当時の写真約5000枚のデジタル化・整理を進めているほか、1924年発行の子ども向け演劇脚本「閻魔裁判鯰髯抜(えんまさばきなまづのひげぬき)」をアニメ化して同公園内の復興記念館で上映したり、シンポジウムなども検討しています。同公園は当時、陸軍被服廠(しょう)跡の空き地で、約4万人が避難しましたが、強風によって四方から炎に包まれ、約3万8000人もが犠牲になりました。同協会の菊池正芳事務局長は「今もいろんな世代の方がいらっしゃって、お祈りなどしてくださる。慰霊しつつ、当時の悲惨な状況や教訓を次の世代に伝えてもいきたいです」と話しています。