自民党の今井絵理子参院議員は13日、参院予算委員会集中審議で質問に立ち、難聴をもった子どもたちへの支援強化を手話を使いながら質問し、岸田文雄首相らに対応を訴えた。

今井氏の息子でプロレスラーの今井礼夢(らいむ、18)は、生まれつき先天性難聴という障がいをもつ。今井氏は、礼夢が18歳となり成人を迎えたことに触れながら自身が経験した子育てに言及。「今、息子はプロレスラーで活躍しているが、道のりはとても大変だった。私は初めての子育てでまったく知識のない障がいと向き合い、一から手話を覚え、正解が分からないまま日々を過ごしてきた」と、当時を振り返った。

「振り返ると、特別支援学校で使う教科書は、30年改訂されていなかった。障がいに関わることにあまり光が当たらず、取り残されることがとても多いように感じた」と訴えたほか、困窮子育て世帯への支援充実も求めた。

「だれひとり取り残さない社会の実現、光が届かないところに光をあてていくことが私の政治信念です」と訴え、新生児聴覚スクリーニング検査の公費助成の充実などを求めたほか、障がいをもった子どもたちに対する政策のあり方を、岸田首相にただした。

首相は「すべての国民が障がいの有無にかかわらずに尊重し合い、ともに生きていく共生社会へ、障がい児の地域社会へのインクルージョン推進の観点で、支援を進めていくことは大変重要なことだ」と応じた。4月に発足するこども家庭庁で取り組みを進める方針も示し、「よろしくお願いします。ありがとうございました」と、最後は自身も手話を使いあいさつした。

手話を使った質問の流れは、今井氏の後に質問した立憲民主党の福山哲郎参院議員にも引き継がれ、福山氏は冒頭で手話であいさつした。