自民党の高市早苗経済安全保障担当相は20日午後、参院予算委員会で放送法を巡る総務省の行政文書に関する立憲民主党の杉尾秀哉氏の質疑(15日)に対し、「私の答弁が信用できないんだったら、もう質問をなさらないでくださいという答弁についてのみ撤回する」とした。

立民の小西洋之氏からは、自身に関する4つの文書について「捏造(ねつぞう)」と断言したことについて謝罪・撤回を求められたが「ありもしないことをあったかのように作られたもの」などとし、いずれも応じなかった。

この日午前の同委員会冒頭で高市氏は末松信介委員長(自民党)から杉尾氏の質疑について「質問に真摯(しんし)に答えていただきたい」と注意を受けた。高市氏は「私の答弁が、答弁を拒否していると受け止められて国会のご審議にご迷惑をかけることは私の本意ではない」と弁明。末松氏から「閣僚が議員の質問権をやゆしたり、否定したりするのは大きな間違いだ。表現として全く適切でない」と厳しく指摘され、「答弁する方も質問する方も敬愛の精神が必要だ」などと諭される一幕もあった。

高市氏は午前も小西氏から発言について謝罪・撤回を求められたが応じず、野党側の反発で中断。だが、午後には急転、答弁を撤回した。行政文書は安倍政権下で政治介入によって放送法の「政治的公平」の解釈がゆがめられたとして、野党側が当時の総務相・高市氏を厳しく追及しているが、高市氏は関与を全否定している。【大上悟】