自民党安倍派の塩谷立会長代理は1日、党本部で開いた派閥総会で、昨年7月の参院選遊説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相の昭恵夫人が、安倍氏の後継として4月の衆院山口4区補選で初当選した吉田真次氏の後援会長になることを、党執行部に伝えていたことを明かした。

昭恵さんは5月31日、党本部を訪れ、塩谷氏や吉田氏らと、茂木敏充幹事長らに面会した。安倍氏の一周忌法要を7月8日に営むことを報告するとともに、小選挙区定数「10増10減」に伴い次期衆院選から選挙区がひとつ減る山口で山口4区が新山口3区に再編されることを受けて、吉田氏が次の衆院選でも山口の小選挙区から出馬できるよう、要請している。

現山口3区選出は林芳正外相で、自民党内には、候補者調整では新人の吉田氏に不利ではないかとの見方がある。昭恵さんが吉田氏の後援会長に就任するのは、自身も吉田氏の選挙区調整に関わる姿勢を示し、吉田氏が安倍氏の「後継」という意味合いをより強めたいためではないかと、みられている。

塩谷氏は「(昭恵さんは吉田氏の)後援会長になることも伝えて、今後のお願いもしてきた。なかなか難しい厳しい状況だが、派としてはしっかり対応していきたい」とあいさつした。

塩谷氏はまた、安倍氏の一周忌法要では午後1時から同4時まで、一般の人が焼香できるように「詳細を詰めている」と述べた。法要は自民党と安倍派、安倍家で合同で、昨年葬儀が営まれた東京・港区の増上寺で行われる。