藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将=20)が挑戦者の佐々木大地七段(28)に2勝1敗とした、将棋の第94期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第4局が18日、新潟市「高志の宿 高島屋」で行われた。対局は後手の藤井が佐々木を下し、シリーズ3勝1敗で、棋聖戦4連覇を果たした。

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テレビのニュースを見る限り、藤井棋聖は自信を持っているなという雰囲気を漂わせていました。盤上でも佐々木七段の勝負どころでのレベル差が、明らかに違うと反映された対局だったと思います。

序盤の9筋の歩を突いた手は、そこから攻撃が成立するのに3手かかります。「悠長な手」とみていましたが、平然と指していました。全体に修羅場をくぐってきた経験の差、相掛かり一本やりの佐々木七段と違って、オールラウンダーで対応できるレパートリーの差が如実に出ていました。

佐々木七段にとっては、9筋に打ち込んだ歩が敗着でしょう。1枚しかない貴重な持ち駒の歩を手放したため、藤井棋聖の2筋の香打ちへの合駒で使えず、歩切れに泣きました。まさに「歩のない将棋は負け将棋」でした。

王位戦7番勝負は続いています。棋聖を防衛したことで、王位戦4連覇に向けても明るい展望が開けてきたと思います。(加藤一二三・九段)