藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・叡王・王座・王将・棋聖=21)に同学年の伊藤匠七段(21)が挑戦する、将棋の第49期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第1局が4日、富山県魚津市「新川文化ホール」で行われた。伊藤の先手で午前9時、角換わり腰掛け銀で始まった開幕戦は、非常に珍しい「持将棋」が午後5時35分、129手で成立。規定により引き分けとなった。第2局は24日、金沢市「北國新聞会館」で行われる。

持将棋とは、双方(少なくとも片方)の玉が敵陣3段目以内に入り、どちらも相手玉を詰ます見込みがなくなった場合をいう。両対局者の合意によって成立し、玉を除く大駒(飛車と角)1枚を5点、小駒(金、銀、桂、香、歩)1枚を1点として数え、両対局者の点数がそれぞれ24点以上ある場合に成立する。公式戦では指し直しとなるが、タイトル戦では「引き分け」として扱われる。

棋王戦では、1988年(昭63)の第13期第3局(高橋道雄棋王対谷川浩司王位)以来、36年ぶり。タイトル戦開幕局では91年の第4期竜王戦7番勝負(谷川竜王対森下卓六段)以来、33年ぶりとなる。直近では20年7月の第5期叡王戦7番勝負第3局(永瀬拓矢王座対豊島将之竜王・名人)以来、3年7カ月ぶりとなる。