米カリフォルニア州の弁護士資格を持つ国際弁護士の清原博氏は28日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳、水原一平氏(39)が違法スポーツ賭博に関与したとされる「背景」について分析をまじえながら解説した。

水原氏は今月19日の米ESPNの取材に、2021年ごろに違法ブックメーカーのマシュー・ボーヤー氏と知り合い、スポーツ賭博を始めたと明かしている。また今回の件で、水原氏は違法スポーツ賭博の借金返済のため、大谷の銀行口座から450万ドル(約6億7500万円)を盗み、ボーヤー氏側に送金したとされている。

ボーヤー氏が水原氏に近づいた背景に関連し、清原氏は「水原さんは違法な業者の手口に引き込まれたのではないか」と分析。「合法な賭博をして借金を抱えることもあるでしょう。そういう時に違法業者が近づいてきて、もっと大きな賭け金で借金は返せると(持ちかける)。しかし、1度でも違法賭博をすれば相手の手に落ちる。(その後借金を重ねれば)ゆすられてしまう形でコントロールされる」と、違法業者の手口について語った。

その上で、ボーヤー氏側がなぜ水原氏に近づいたかについて「大谷選手の背後にいることを分かっている」ためと推測。「もちろん、水原さんの借金の肩代わり(への期待)もあるかもしれないが、もっと大きな理由では、こうした大スターの情報を得たいということ。アメリカのスポーツ賭博は、単に勝敗だけでなく、大谷選手が次に打つか打たないかも賭博の対象になる」と指摘。「大谷選手がいま体調を崩しているとか、実はけがをしているとか、そういう内部的な情報を得たら、それでもって次の打席で打つかどうか、確率が変わってくる。そういう内部情報を得るために、もしかしたらこの違法な賭博業者が水原さんに近づいてきた可能性も十分考えられます」と指摘した。

大谷は今回の問題を受けて26日(日本時間)の会見で、自身がスポーツに賭けたことはなく、水原氏のギャンブル依存や借金は20日の開幕戦直後のミーティングで初めて知り、勝手に自身の口座から違法ブックメーカーに送金されたと説明。水原氏が「みんなにウソをついていた」と指摘。水原氏が大谷の口座にアクセスした方法や、なぜ今まで気付かなかったことなどには触れていない。