岸田文雄首相は28日の参院予算委員会で、小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントをめぐり死者が確認された健康被害問題について「まずは原因の特定が必要だ」とした上で、「いかなる対応が必要か政府として検討していく」と述べた。

立憲民主党の辻元清美議員の質問に答えた。

今回の問題に関連しこれまで2人の死亡が確認されていたが、新たに死亡との関連が疑われる事例が2件報告されたことが、この日明らかになった。

辻元氏は「思い起こせば、安倍政権時代に健康食品のビジネスチャンス、アベノミクスの成長戦略のひとつとして(機能性表示食品の条件を)届け出だけにした。これが安全規制の行きすぎた規制緩和と当時からも批判があったが、ここに一因があるんじゃないかという指摘も出ている」と指摘。「死者が増えている。規制緩和の見直しも含めた再発防止に即座に着手すべきではないか」と述べ、現在の制度の見直しが必要ではないかとただした。

これに対し、岸田首相は「まずは原因の特定が重要」とした上で「関係省庁で連携して連絡会議を昨日開き、本日、厚生労働省の審議会を開催するなど、取り組みを進めている。原因の特定を進めた上で再発防止にいかなる政策が必要なのか。委員のご指摘も踏まえた上で、政府としても検討して参ります」と応じた。