将棋の第73期ALSOK杯王将戦7番勝負を制した藤井聡太王将(21)が29日、東京都練馬区のホテルで行われた「藤井聡太王将防衛をお祝いする会」に参加した。

練馬区は、今期の第7局の開催予定地だった。菅井竜也八段(31)の挑戦を4連勝のストレートで退けて3連覇を達成したため、祝賀会に変わった。藤井はあいさつの中で、「今期の王将戦は2日制という長い時間の中でじっくり考えて指すことができたのが収穫だった」と振り返った。

このイベントは、藤井にとっては本年度の最終公務。対局は46勝8敗、自己最高の年間勝率の8割5分2厘を記録した。中原誠16世名人が1967年(昭42)度に記録した47勝8敗、8割5分5厘の年間最高勝率には1勝及ばなかった。ただ、8敗のうち名人戦、叡王戦、棋聖戦、王位戦、王座戦とタイトル戦の各1敗と、銀河戦、朝日杯、NHK杯のトーナメント戦決勝で敗れただけ。高いレベルでの勝率を記録した。

タイトル戦では昨年9月の王座戦から、今月17日に初防衛した棋王戦まで14連勝で2位。故大山康晴15世名人の17連勝の記録に迫る勢いだ。

4月からは叡王戦5番勝負で伊藤匠七段との同学年対決が控え、名人戦7番勝負では豊島将之九段の挑戦を受ける。「大きな対局が続きますが、いい将棋をお見せしたい」と、詰めかけたファン150人や関係者の前でさらなる飛躍を誓っていた。