県の新規採用職員への訓示の際の職業差別発言などを理由に辞職の意向を示していた静岡県の川勝平太知事(75)は10日午前、県議会議長あてに辞職願を提出した。

川勝氏は辞職願を提出する際、今の心境を問われて「散りぬべき 時知りてこそ  世の中の 花も花なれ 人も人なれ…細川ガラシャです」と口にした。

細川ガラシャは、戦国武将、明智光秀の娘。この句はガラシャの「辞世の句」としてあまりにも有名で、引き際の美学を表現したものとして知られている。

細川護熙元首相が1998年5月に国会議員を辞職する際の記者会見でも、口にした。

川勝氏は今月1日、「県庁は別の言葉で言うと、シンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、ものをつくったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性が高い人たち。それを磨く必要がある」となど発言。批判が出て2日に釈明した際、6月議会で辞職する意向を表明し、3日の会見で正式に辞任する意向を示した。この時は撤回しないとしていた訓示の発言は、5日になってようやく撤回した。

川勝氏は当初、辞職の時期は6月としていたが、県議会の自民、公明両党会派が早期辞職を求め、発言への批判もやむことはなく、大幅に前倒しとなった。

川勝氏は10日午後、記者会見を開く。