出産、育児のため休場していた女流棋士の第一人者、福間香奈女流5冠(32)が2月中旬から対局に復帰後、公式戦4連勝、タイトル戦では2連勝と好調です。昨年は、妊娠に伴う体調不良が理由で不戦敗となり、タイトル奪取を目指した2つの女流タイトルで敗退しました。戦えない環境での「敗退」はさまざまな議論を呼びましたが、心機一転、「勝負師」と母の両立を目指します。
福間女流5冠は昨年11月17日から2月12日まで休場し、昨年12月に第1子の男児を無事に出産。2月17日に大阪府高槻市で行われた西山朋佳女流3冠(29)の挑戦を受けるリコー杯第14期女流王座戦5番勝負第2局が約4カ月ぶりのタイトル戦となりました。
女流タイトルの獲得は通算59期に達し、歴代最多を更新中の第一人者にとっても「実戦不足の不安はあった」といいます。
タイトル復帰戦では「一手一手をしっかりと考えて指せればいいなと思っていた」と臨みました。最後まで攻めの姿勢を見せ、王手飛車取りの角打ちが決まり、白星を挙げました。終局後のインタビューでは「割と平常心で戦えたかと思います」と満足そうに振り返りました。
実戦から遠ざかった約4カ月間、勝負勘を失わないために「実践」していたことがありました。詰め将棋でした。
詰め将棋は王手の連続で、玉が詰むように作ってある問題を解く、将棋の基礎トレーニングとも言われます。問題を見ながら解くことができない状況では「頭の中でやっていました」と明かしました。
10連覇を目指す第32期倉敷藤花戦3番勝負第1局を先勝し、復帰後はタイトル戦2連勝です。
今後は3月末までに最大でタイトル戦は8局が予定されます。週2回、多いときでは週3回の対局が続きます。
「じょじょに対局数が多くなるにつれて、実戦不足も解消されてくると思う。対局に向かうにあたり、できるかぎり勉強できればと思う」
異例のハードスケジュールも、プラスに捉えています。その言葉の端々からは勝負師としての顔がのぞきます。「体調管理に気をつけていければと思います」。明るい表情には、出産、育児を経験し、「勝負師」と母を両立しようとする覚悟がありました。
【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

