静岡市の難波喬司市長は4日の会見で、鈴木憲和農相が物価高対策として打ち出している、自治体による「おこめ券」について、必須ではなく選択制だった場合との前置きを付けた上で、配布しない意向を示した。

プレミアム商品券など、より選択肢の広い対策があること、発行にかかる事務費の節約などを理由とした。おこめ券をめぐっては、大阪・交野(かたの)市の山本景市長や、箕面市の原田亮市長も、経費率の高さなどを理由に、配布しない意向を示している。

難波市長は、前日3日にに農水省によるおこめ券の配布についての説明会があったことへの質問を受けると、「説明を受けたのは事実です」とした上で「ただ非公開だったということもあって、詳しい内容はご説明を…先方が非公開でやられてますので、こちらからこんな話があったということを公開するわけにはいきませんので、中身は申し上げられません」とコメント。「ただ、ざっと言うと、想像が付きますけど、おこめ券も含め、物価高騰対策。農水省の主催の説明会ですので、内容はそういう、おこめ券を含む食料品の価格高騰対策ということで、説明ありましたので、それに対して、例えばこんなメニューがありますよ、みたいなお話はしていただいた。それについてどう対応するか、ということですけれども、いろんな事例を示して頂いてますので、それをもとに、対処していきたいと思います」と明かした。

続けて、自ら「付け加えると、おこめ券がやるべきだ、やらないといけない、というようなことになれば、それはやりますけども、おこめ券が、選択の1つだとすれば、静岡市としてはおこめ券をやるつもりはありません」と明言した。

おこめ券をやらない理由について聞かれると「静岡市はずっとデジタル商品券をやってますので、その方が効率的で、選択肢も増すと思います。私自身、おこめ券というのが何の目的なのか、物価対策なんですか、消費拡大なんですか、それとも価格高騰しているので、という話なのか、何が一番の目的か、よく理解していないんですけども。物価高騰であったり、おこめの価格が上がっているからそれを支援する、というのであれば、何もそこに直接やらなくても、いいわけですよ。こっちのお金がこっちに回ればいいわけで、お米が高いからお米だけやる必要はなくて、もっと広い選択肢の中で、価格が高騰したものに対応できるようになればいいわけですよね。何もおこめ券にこだわる必要はなくて」と指摘。「自分も市民ですけど、市民(側)に立ってみれば、おこめ券をもらうよりも、もっと選択肢が広い方がいいですよね。ですから、もっと選択肢の広い食料品の価格高騰対策を取るのが、合理性があるのではないかと思います」と説明した。

さらに「もう1つは、デジタル商品券は実施のための事務費がかなり節約できますので、事務費を削減すると、その分だけ、市民の皆さんに回る分が増えますので、事務費を削減するためにも、おこめ券のような新しい形を取るんじゃなくて、今までやっているプレミアム商品券型、あるいはそれにもっと何か工夫があるかもしれませんけど、そちらの方がいいんじゃないかと思っています」との理由も述べた。

難波市長は、その上で、「(国が)『おこめ券はやりなさい』となると、おこめ券はやらないといけないので、その場合はやります。ただ、おこめ券も選択の1つであれば、おこめ券は選択しない、ということです。要するに必修と選択科目みたいなものですね。必須、必修になっていると、それはやる。選択になってたら、おこめ券は必須でなかったらやらない、ということです」と、市として選択できる状況を前提として、おこめ券を導入しない意向を繰り返した。