東京・築地に本店を構えるすしチェーン店「つきじ喜代村すしざんまい」が5日、東京中央卸売市場の豊洲市場でクロマグロの初競りで一番マグロを落として、5億円超の史上最高額を記録した。

競り落としたのは青森・大間町の第11長宝丸(伊藤豊一船長)が釣り上げた243キロのクロマグロで、1キロ当たりこの日最高値になる210万円。1匹で5億1030万円と、記録をつけ始めた1999年以降では史上最高額の値がついた。

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2020年の初競りで一番マグロを落札してから、つきじ喜代村すしざんまいは6年ぶりに表舞台に戻ってきた。ただし、隠れていたわけではなく、木村清社長は「質のいいマグロにこだわって競りにかけていた」と説明した。

約20年前からモロッコ沖に巨大な「畜養アミ」を設置して100~200キロ級の大きなクロマグロを狙って商品化する育成システムを構築したと話した。木村氏はこのシステムを「備蓄」と独特の表現で話した。商売用に巨大なマグロを食用に回して、小粒なマグロは思い切って自然の海に戻すのだという。「だって、魚は循環させないと増えないでしょ」と語った。

日本近海のマグロが激減している。地中海では大きい個体以外は海に放して育てる方針を選んだ。木村氏は「もうね、20年、地中海で頑張ってマグロを増やしてきた」と話す。この6年、一番マグロにこだわらずに形のいい、価格は2番手、3番手のマグロの目利きに磨きをかけた。自然と会社の体力もついて、今年の初競りでは一番マグロに5億円超をつけることができた。

小さい個体を自然に返すことで、会社の体力も着実につけられた6年間となった。木村氏は「質のいいマグロをいつも選んでいただけ」と話した。今回の初競りも325キロのクロマグロが本命視されていたが、243キロに1キロ当たり210万円で勝負した。ライバルの「おのでらグループ」も200万円まではついてきたが、10万円差で脱落していた。5億円超で落札したマグロをながめて「この形にほれぼれしてね」とつぶやいていた。